雨の町には、死者から手紙が届く
連載中mystery1 / 1
十二年前、雨の夜に起きた市立図書館の火災で、七人が死んだ。事故として処理されたその夜、姉を失った記録修復士・水瀬澪のもとに、差出人が姉の手紙が届く。 「火事の前に、私は図書館を出た」 消印は昨日。封筒には、火災当日に廃止されたはずの私設郵便局の印が押されていた。澪は地元紙の記者・久世とともに、当時の記録と生存者の証言をたどる。だが手紙は、事件の関係者が隠してきた秘密を知るかのように、一通、また一通と届き始める。 誰が手紙を送り、何のために死者の名を使うのか。そして、あの夜に失われた「七人」とは、誰だったのか。 小さな町に埋もれた証拠と、それぞれの嘘をたどる長編ミステリー。